TSM渋谷ブログ
2021年8月9日
夏休みに観たい!続・オススメ音楽映画 10選+α
お疲れ様です!
パフォーミングアーツ科 教務の鎌田です。
今日も今日とて暑いですが、体調崩していませんか??
こんな日は涼しくてディスタンスもしっかりしている映画館は最高ですよね☺
先日、話題の「アメリカン・ユートピア」を観てきました!
Talking Headsのヴォーカリストとしてやブライアン・イーノの活動などで知られるデヴィッド・バーンと、「ドゥ・ザ・ライト・シング」などで知られる映画監督スパイク・リーのタッグによる作品です。
–公式より–
デヴィッド・バーンによるアルバム「アメリカン・ユートピア」が原案の舞台を映画化。2019年秋よりブロードウェイで上演された舞台を再構築し、デヴィッド・バーンと11人のミュージシャンやダンサーたちが舞台に上がる。…
…という公式レビューを聞いてもよく分からなかったのですが、
観た今でも説明が難しいです。でも決して分かりにくくはなく、実際見てみて是非感じて欲しい!
新しいエンタメ/パフォーマンスの一つの至高の形だと思いました。
と、前置きが長くなりましたが、
前回の「定番映画」とは少し違った
自分の趣味が入っているオススメ音楽映画を今回は紹介したいと思います!
➀ スパイナル・タップ (This Is Spinal Tap) 1984年
➁ あの頃ペニー・レインと (Almost Famous) 2000年
➂ ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ (Hedwig and the Angry Inch) 2001年
➃ スウィングガールズ (Swing Girls) 2004年
➄ アンヴィル! 夢を諦めきれない男たち (Anvil! The Story of Anvil) 2009年
⑥ パイレーツ・ロック (The Boat That Rocked) 2009年
⑦ はじまりのうた (Begin Again) 2013年
⑧ イエスタデイ (Yesterday) 2019年
⑨ カセットテープ・ダイアリーズ (Blinded by the Light) 2019年
⑩ 音響ハウス Melody-Go-Round 2020年
番外編➀ ラビリンス/魔王の迷宮 (Labyrinth) 1986年
番外編➁ GLAY / LOVES & THANKS 〜波動する心音〜 GLAY EXPO 2004 in UNIVERSAL STUDIOS JAPAN “THE FRUSTRATED” 2004年
番外編➂ いちごの唄 2019年
※
こちらは、一人の音楽業界人、音楽ファンとしてオススメするものであり、
学校の教材や必修としているものではございません。
また、演出上、学校が薦めるものとして相応しくないシーンが含まれるものもございますが、映画紹介という性質上、
ご了承のほど、お願い致します。
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➀ スパイナル・タップ (This Is Spinal Tap) 1984年
後に名作『スタンド・バイ・ミー 』や『最高の人生の見つけ方』等を手掛けるロブ・ライナー監督の監督デビュー作!
“モキュメンタリー”と言われるジャンル、つまり架空のドキュメンタリー映画で、
架空のバンド「スパイナル・タップ」のツアーを追ったもので、この時代のヘヴィメタルバンドのあるあるや、先人のロックバンドのあるあるネタが盛り込まれている…ミュージシャンは話のネタのためにも一度は観ておいた方が良いです!
…というとコメディと思われそうですが、ほんのり感動するシーンもあり、最後は爽快に終わり、映画として素晴らしいし、
メンバーは実際に演奏出来て、映画を飛び出しライヴやCDのリリースもしているのもすごい!
➁ あの頃ペニー・レインと (Almost Famous) 2000年
実際に15歳で『ローリング・ストーン』誌の記者となった経験を持つキャメロン・クロウ監督の実体験も色濃く反映されている青春×ロックライター映画!
レッド・ツェッペリン等を基にしているバンド・スティルウォーターという人気バンドに密着取材するなかで、
ペニー・レインという 自分よりも良くも悪くも大人の世界を知っている女の子に恋する中、自身もツアー生活の中で大人になっていく、そんな青春の1ページが描かれています。
➂ ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ (Hedwig and the Angry Inch) 2001年
オフ・ブロードウェイで上演されたミュージカルの映画化!
男性から女性への性別適合手術に微妙に失敗してしまったロックミュージシャン・ヘドウィグが、自身の運命や、様々な人との出会い、世界情勢にも翻弄されながら本当の愛を探し求めます!
ちなみに個人的な話なのですが、2012年に森山未來さん主演で大胆なアレンジをされたヘドウィグのミュージカルを観に行ったことがありまして、
東日本大震災後の日本を舞台にした変化球な設定ではあったのですが、壮大なロックコンサートを観たような一体感で本家以上に感動した思い出があります。
➃ スウィングガールズ (Swing Girls) 2004年
邦画でも音楽×青春の映画は沢山ありますが、
『ウォーターボーイズ』で知られる矢口史靖監督が脚本・監督を務めた本作は特におすすめ!
山形の女子高生がビッグバンドジャズに挑戦するということで、取り上げられる曲も詳しくなくても知っているような有名なものが多く、非常に入りやすいです!
主演の上野樹里さんは役によって印象が変わる女優さんだと思いますが、ここでの上野樹里さんは『のだめ』っぽさがあるので、のだめ好きな方で本作を観ていない方は必見です。
➄ アンヴィル! 夢を諦めきれない男たち (Anvil! The Story of Anvil) 2009年
カナダのヘヴィメタルバンド、アンヴィルのドキュメンタリー映画。
最初のシーンと最後のシーンが日本なのがアツいです!
どういうことかというと1984年にボン・ジョヴィなどと共に日本でのスーパー・ロック’84に出演した彼らは、
その時代の人気バンドの一つでした。
しかし彼らに影響を受けたメタリカ等が大人気になっていく一方、彼らの人気は続かず、しかし解散することもなく
20年経ち、中心メンバーの2人は50代、それでもバンドで成功する夢は諦めず、給食配給の仕事や建設の仕事で生活しながらバンドを続けていた。
そんな苦境のなかでも良いライヴ、良い音源を目指して頑張り続ける彼らに日本のフェス「LOUD PARK 06」への出演依頼が来るのですが、今の彼らを観に来る観客がどのくらいいるのだろうか…ということで続きは是非映画で見て欲しいです!
これは夢を目指す若いみなさんには現実を突きつけられるようで、少し不安になるような部分もあるかもしれませんが、
夢を追い続けること、音楽を続けることの素晴らしさが感じられて胸が熱くなります!
⑥ パイレーツ・ロック (The Boat That Rocked) 2009年
こちらもペニーレインに少し共通する部分がある1960年代を舞台にする実際の時代背景を基にする青春映画!
当時は、舞台となるイギリスでは民放ラジオが存在せず国営放送のみで、音楽の放送はかなり制限されていました。
そんななか、主人公の男の子は勝手に好きなロックソングを電波発信する海賊ラジオに入り込み、生活を共にし始めます!
すごく乱暴にいうと、中学校の真面目な曲しかかからない校内放送で、勝手に洋楽ロックをかけて大人を怒らせる、でもそれで喜んでくれる人がいる、そんな青春の1ページに近い感じがしますが、60年代のイギリスの話なので、もっと危うくて、ですが切なくて感動。
⑦ はじまりのうた (Begin Again) 2013年
公開開始時は全米で5館のみの上映だったのにも関わらず、口コミで評判となり最終的には1,300館以上の公開となったアメリカ版『カメラを止めるな!』のような映画。(こちらの方が先ですが!)
こちらも名作の『ONCE ダブリンの街角で』の監督であるジョン・カーニーが監督・脚本で、マルーン5のアダム・レヴィーンがメインキャスト出演したりと、むしろなぜ最初5館だったのかという気もしますが、とにかく良い作品なので気にしないでおきましょう!
主人公のシンガーソングライターと、その恋人で同じくソングライターの2人を中心に、恋愛模様と音楽での成功、失敗などが描かれます。恋愛映画と言っていいのかもしれませんが、最後には見た方全員がは音楽って素晴らしいなと思ってもらえるような名作です。
後ほどご紹介するレコーディングスタジオのお話とは逆のお話になってしまいますが、本作での街中でのセルフレコーディングするクリエイティヴ精神も是非みなさんのアーティスト活動の刺激にしてもらえたらと思います!
⑧ イエスタデイ (Yesterday) 2019年
『スラムドッグ$ミリオネア』等の監督で知られるダニー・ボイル監督によるコメディ映画。
売れないシンガーソングライターの主人公が、ひょんなことからビートルズが消えてしまった世界で、ビートルズを覚えているのは唯一かもしれない存在になり、ビートルズの曲をオリジナルのようにパフォーマンスし、大成功を収めていくというストーリー。
突拍子もない設定なので基本的にはコメディですが、最後の方は苦悩や感動も描かれ、映画として非常に良く出来ています。
ちなみに『僕はビートルズ』という非常に設定が良く似ている日本のマンガがありまして、これは日本の現代のビートルズコピバンが、ビートルズがデビュー前の時代にタイムスリップして、、、というお話で、このマンガの方がずっと先に出ているのですが、どちらもビートルズ愛が溢れていて僕は大好きな作品なので良かったらチェックしてみてください!
ビートルズに関係する映画は無数にあるのですが、
2007年の『アクロス・ザ・ユニバース』 (Across The Universe) も特におすすめ!
ビートルズ楽曲を素晴らしいアレンジでミュージカル映画タッチに仕上げ、60年代後半の若者の心情を描いています。
⑨ カセットテープ・ダイアリーズ (Blinded by the Light) 2019年
『ボヘミアン・ラプソディ』のヒット後、『ロケットマン』や『ザ・ダート: モトリー・クルー自伝』な音楽自伝映画が百花繚乱ですが、そのなかでも異色な良作をひとつ!
記者サルフラズ・マンズールの自伝を原作に、1980年代後半のイギリスでパキスタン系移民の両親と暮らす少年が、ブルース・スプリングスティーンの楽曲を聴くことで勇気づけられながら、差別などを乗り越え、ブルースの記事を書く記者になるストーリー。
時代背景は『ボヘミアン・ラプソディ』でのフレディがパキスタン移民というあたりと共通する部分があります。
ブルースの曲を聞いた時の演出は
誰もが中学生・高校生の頃に初めて心から感動する音楽に出会った時を思い出させるような素晴らしい演出で感動出来です!
⑩ 音響ハウス Melody-Go-Round 2020年
1974年12月に東京・銀座に設立され、昨年創立45周年を迎えた老舗レコーディングスタジオ『音響ハウス』のドキュメンタリー映画。
日本のポップス/ロックを振り返るうえで貴重ですし、また専門学校としてはレコーディングエンジニアコースにとってはWe Are The Worldと同じぐらい必見です!
最近CITY POPに興味を持った方にもおすすめ。
多くの制作秘話や音楽に溢れていますが、結局は人間と人間とのやりとりが大事なんだなと気づかされます。
近い系統の洋画で、フー・ファイターズのデイヴ・グロールが手掛けた『サウンド・シティ – リアル・トゥ・リール』もオススメ!
こちらはどちらかというと、ゆかりのある豪華ゲストと伝統的なスタジオで音楽を生み出していく模様に主軸が置かれていますが、音楽や機材の歴史と、レコーディングスタジオのマジックを感じられる映画です!
番外編➀ ラビリンス/魔王の迷宮 (Labyrinth) 1986年
音楽映画ではないと思うので、番外とさせていただきましたがデヴィッド・ボウイが魔王役で登場するのがこのラビリンス!
ミュージカルのようなシーンもあります。
ディズニー映画を思わせるような女の子が頑張るファンタジーですが、
正直、ディズニー映画あたりと比べると少しチープな印象なのですが、それもまた本作の魅力で、
観終わるころには、この世界が身近に感じられるくらい愛着が持てます!
この他にもデヴィッド・ボウイは俳優として多くの映画に終演していて、有名な『戦場のメリークリスマス』はもちろん必見ですし、
個人的には2006年の『プレステージ』が特にオススメ!
マジシャン2人の繰り広げるサスペンスのなか、ナイスミドルでかっこよすぎるボウイが重要なキーマンで登場します。
番外編➁ GLAY / LOVES & THANKS 〜波動する心音〜 GLAY EXPO 2004 in UNIVERSAL STUDIOS JAPAN “THE FRUSTRATED” 2004年
こちらもタイトルの通り2004年のGLAYのUSJでのライヴ作品ということで、映画でないため番外編ですが、
ライブ映像の始まる前や後、ライブ中にもショートムービーが差し込まれていて、映画を観ているような気持ちになれるライヴ作品です。
ストーリーとしては、少し地方の学校が舞台で、
女の子に恋する男の子が勇気を振り絞ってライヴに誘って、
でもすれ違いが合って、二人の行く末はどうなるのか、、、そんなショートムービーです。
純粋なライヴ作品を望んでいた方からは余計な演出という意見もあり賛否両論でしたが、
個人的には、このブログを読んでいるみなさんと同じ年ごろの学生時代にこの作品を観て、青春ムービーとして非常に感動したので紹介させていただきました!
余談ですが、洋画で、ライブとストーリーのハイブリッド映画としては、2013年の『メタリカ・スルー・ザ・ネヴァー』がオススメです!
こちらはGLAYのような青春ストーリーでなく、
メタリカのローディー役の主人公がバイオレントでサイキックなス事態に巻き込まれていく壮大なMVのようなストーリー。
番外編➂ いちごの唄 2019年
近年は俳優としても活躍する峯田和伸さんのバンド「銀杏BOYZ」からインスパイアされた岡田惠和さんが脚本を手掛けた映画!
ということで重要なシーンで銀杏BOYZの曲が関わってきたり、作品全体に峯田和伸さんの歌詞や著書のような世界観が感じられます。
ということで、岡田惠和さんといえば「ちゅらさん」「ひよっこ」などハートフルな作品で知られている脚本家ですが、
この作品ではハートフルなだけでなく、きわどいところもあったり、でも根底はやはり温かいところがあり、
全てを語らないラストも僕はとても気に入っています。
朝ドラ『おかえりモネ』で話題の清原果耶さんの
ヒロインの学生時代の役で素晴らしい演技が見られるところも注目です!
ということで今回も少し長くなってしまいましたが、
人生の目標を失った時や、少し散らかった心のネジを巻き直すのに、映画を見ることで助けられたり、
自分が生まれる前の世界に入り込んで知識の疑似体験を出来たり、
あらためて音楽と映画は密接な関係だなと思いました!
これからも素敵な音楽や映画と
たくさん出会っていきましょう!
では!
鎌田
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