TSM渋谷ブログ
2022年8月5日
夏休みに観たい!続続・オススメ音楽映画
お疲れ様です!
ヴォーカル副担任の鎌田です。
学校が夏休み期間に入っていますが、毎日暑い日が続いていますね!
そんな日は涼しい映画館やお家で映画鑑賞が最高です☺
ということで、昨年もオススメ音楽映画のブログを書かせてもらいましたが、
その際にご紹介した映画以外でいくつかご紹介したいと思います!
今回もコメントの中で10作以外にもオススメ映画に触れていますので、そちらも良かったらチェックしてみてくださいね!
➀ エルヴィス (Elvis) 2022年
➁ Coda コーダ あいのうた (CODA) 2022年
➂ グリーンブック (Green Book) 2018年
➃ ディア・エヴァン・ハンセン (Dear Evan Hansen) 2021年
➄ リンダ リンダ リンダ 2005年
⑥ ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ (Buena Vista Social Club) 1999年
⑦ ランブル 音楽界を揺るがしたインディアンたち (Rumble: The Indians Who Rocked The World) 2017年
⑧ バルフィ!人生に唄えば (Barfee) 2014年
⑨ 陽のあたる教室 (Mr. Holland’s Opus) 1995年
⑩ 嫌われ松子の一生 2006年
番外編➀ ストレンジャー・シングス 未知の世界 (Stranger Things)
番外編➁ ディファイアント・ワンズ: ドレー&ジミー (The Defiant Ones) 2017年
番外編➂ ビッグ・フィッシュ (Big Fish) 2003年
※
こちらは、一人の音楽業界人、音楽ファンとしてオススメするものであり、
学校の教材や必修としているものではございません。
また、演出上、学校が薦めるものとして相応しくないシーンが含まれるものもございますが、映画紹介という性質上、
ご了承のほど、お願い致します。
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➀ エルヴィス (Elvis) 2022年
最近も「犬王」「さよなら、バンドアパート」「鋼音色の空の彼方へ」など話題の音楽映画を観てきましたが、
今年の音楽映画の話題作といえば何と言っても「エルヴィス」ですよね!
『ボヘミアン・ラプソディ』の大ヒット以来、レジェンドミュージシャンの伝記映画が多く作られていますが、この映画は
『ロミオ+ジュリエット』『ムーラン・ルージュ』『華麗なるギャツビー』などで知られるバズ・ラーマン監督ということもあってか一味違った魅力があります。
目線をマネージャーのトム・パーカーに設定し狂言回しの役を持たせていることや、
とにかくエンタメに振り切り細部までこだわりが感じられるゴージャスな映像演出、
また再現シーンも最高なのですが、再現だけにとどまらず、現在の音楽の感性で大胆にブラッシュアップ、マッシュアップさせたサウンドトラックの数々など、
これまでの伝記映画にはない魅力満載です!
こちらでロカビリーに興味を持った方は
もう少しカントリー寄りではありますが、ジョニー・キャッシュの伝記映画『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』もオススメです!
こちらは夫婦愛に重きを置いたストーリーで また違った視点の伝記映画が楽しめます!
➁ Coda コーダ あいのうた (CODA) 2022年
フランス映画『エール!』のリメイクで、第94回アカデミー賞にて3部門受賞した話題作。
タイトルの“CODA”とはChildren of Deaf Adult/sの略で、
「きこえない・きこえにくい親をもつ きこえる子ども」のことで、主人公がそういった家庭の女子高生になります。
音楽記号のCodaもかかっているのかなと思います。
歌の才能に目覚めた主人公がバークリー音楽院を目指すということで、
バークリー留学コースがある本校にとっても共感できるところがありました!奨学金のお話もリアルですね。
テーマだけ聞くと少し重そうではありますが、
ジャンル的にはハートフルコメディになると思うので、
内容は詰まっていますが、身構えず見ることが出来るのも魅力です!
(下ネタも多めなので親御さまと一緒に観るときは要注意かも、、?)
話題の『ドライブ・マイ・カー』もそうでしたが、耳のきこえない ろう者の方にスポットを当てた作品が ここのところ印象的ですね!
その中で音楽映画だと『サウンド・オブ・メタル~聞こえるということ~』もオススメで、
こちらはCODAとは逆で、主人公のドラマーが難聴に直面する状況を主人公視点で体験できる傑作なので、
ぜひチェックしてみてくださいね!
➂ グリーンブック (Green Book) 2018年
黒人クラシック/ジャズピアニストのドン”ドクター”シャーリーと、
彼の運転手兼ボディガードを務めることになったイタリア系アメリカ人のトニー・ヴァレロンガをモデルに、
1962年のアメリカ南部を回るコンサートツアーを描いた事実をもとにした映画。
アレサ・フランクリンの『リスペクト』や『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』、『ニーナ・シモン 魂の歌』、『ジョン・コルトレーン チェイシング・トレーン』など多くの映画でも描かれたように
当時はまだ黒人差別も多くあり、
タイトルのグリーンブックというのも、
アフリカ系アメリカ人旅行者のためのガイドブック「黒人ドライバーのためのグリーン・ブック」からきています。
最初は上手くいかない二人ですが、徐々に友情を築いていく旅はきっと「良い映画を観たなぁ」という気持ちになります!
➃ ディア・エヴァン・ハンセン (Dear Evan Hansen) 2021年
昨年、研究科の授業「Broadway Seminar」でも題材として取り上げたミュージカル映画で、
2015年に初演された同名のミュージカルをもとに映画製作されました!
主人公の高校生のエヴァン・ハンセンは社交不安障害を抱えており、そんな彼がクラスメイトの自殺から様々な出来事があり、成長していく物語です。
エヴァンに共感する方もいれば、
家族に共感する方、SNSを通じた繋がりに共感する方など
観る方によって色々なところに感情移入できると思います。
昨年はミュージカル映画も充実しており
ブロードウェイらしく歌とダンスに溢れていてエンタメ観あふれ、キャラの感情描写も素晴らしい『イン・ザ・ハイツ』も良かったですし、
そのミュージカル『イン・ザ・ハイツ』や『ハミルトン』にて主演や楽曲を手掛けたリン=マニュエル・ミランダが初監督を務め、『RENT/レント』を生み出した作曲家ジョナサン・ラーソンを主人公にした『tick, tick… BOOM! : チック、チック…ブーン! (tick, tick… BOOM!)』 も傑作なのでオススメです!
➄ リンダ リンダ リンダ 2005年
『時をかける少女』をはじめ、夏休みの青春映画の名作邦画は沢山あり、先日観た『サマーフィルムにのって』も素晴らしかったです!
そんな邦画の青春映画で音楽系といえば、
以前ご紹介した『スウィングガールズ』、そしてこの『リンダ リンダ リンダ』が代表的なものかと思います!
舞台は高校の軽音部、人間関係など色々ありながらも文化祭のライヴを目指すというシンプルなストーリーで、自分の高校でもこういうことありそう!と思えるなか
メンバーのキャラクターがたっていて単調にはならず、
日本の音楽映画らしいおしゃれなカットもカッコいい傑作だと思います。
アニメの『けいおん!』が2009年なので、それよりも軽音の先駆けで、
2005年でヴォーカルが韓国人留学生というのも、時代を先取りしていると言えるかもしれないですね!
Base Ball Bearのベーシスト関根 史織さんがメインキャストで出演、
他にもシンガーソングライターの湯川潮音さんも軽音部仲間で出演、
The Smashing PumpkinsのJames Ihaがサウンドトラックを担当、
また現在アメリカで話題のThe Linda Lindasはこの映画から由来しているなど、音楽ファンとして嬉しいトピックも満載です。
夏の時期にぜひ見てみてください!
⑥ ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ (Buena Vista Social Club) 1999年
ロック、ブルース、カントリーに留まらず、世界のルーツミュージックを体現するアメリカ人ギタリストのライ・クーダーがキューバに旅行した際、キューバ国外にはほとんど知られていない老ミュージシャン達と多くふれあい衝撃を受ける。
彼ら彼女らとセッションを行ったことがきっかけとなり、
1997年にCDアルバムリリース、そして1999年に制作されたドキュメンタリー映画が本作です!
90年代のキューバは フィデル・カストロ存命中、またキューバ革命からそれほど時間も経っていないという歴史的な背景も感じ取ることが出来ます。
知られざるキューバの才能ある大ベテランたちの これまでの重い人生の背景・想いを感じながら、
まさかのCD制作、ワールドツアー、豪華なカーネギー・ホール公演でのコンサートに至るドキュメンタリーは必見です。
⑦ ランブル 音楽界を揺るがしたインディアンたち (Rumble: The Indians Who Rocked The World) 2017年
こちらはクリス・ジャーガンセン副校長にオススメいただいて今年観させていただいたドキュメンタリー映画です!
タイトルの「Rumble」とはネイティブアメリカン(インディアン)の血を引くギタリスト・Link Wrayの1958年の代表的なインスト曲です。
いま聴いてもパワフルで心が動かされるカッコよさがあります!
そんな「Rumble」なのですが、
なんとリリース時、インスト曲にも関わらず犯罪を助長するという理由でラジオ局で放送禁止処分を受けた楽曲なのです。
普通は放送禁止になる曲というのは歌詞が原因ですよね、、
もちろん楽曲の持つ心を動かすようなパワーも、放送禁止となった理由であるのですが、Link Wrayがネイティヴアメリカンの血を引いていることも理由であったと考えられています。
そういったネイティヴアメリカンの血を引く才能あふれるアーティストは彼の他にも多く音楽シーンで活躍しており、
ジミ・ヘンドリックスなんで衣装から正にそうですよね!
他にもThe Bandのロビー・ロバートソン、Motley Clue, Ozzy Osbourne等で知られるランディ・カスティーヨ、Black Eyed Peasのタブーなど多くのアーティストが紹介されています。
よほどのスワンプロック好きやネイティブアメリカンルーツを調べたりしていない限りは、
音楽的に、音楽史知見的に新しい発見があると思います。
私もこの映画で初めて知ったJohn TrudellのAKA Grafitti Manというアルバムを その後ダウンロードし、あまりのカッコよさに衝撃でした!
これは勉強になりますよ!
⑧ バルフィ!人生に唄えば (Barfee) 2014年
こちらはThe Soulmaticsの池末信 副校長にオススメいただいたインド映画です!
インド映画といってもダンスや歌てんこもりという訳ではなく、音楽映画と言っていいのか微妙なところではありますが
インド映画が苦手な方でも観られるエンタメ映画として完成度の高い傑作なので入れさせていただきました!
こちらも先ほどの『コーダ』に続き、聴覚に障害をもつ青年が主人公で、彼との出会いによって周りが変化していくストーリーに心が温かくなります。
音楽ももちろん素敵ですし、耳が聞こえないぶん表情の演技が素晴らしいところや、過去の名作映画へのオマージュも見どころです!
池末先生より、もっとインド映画らしいインド映画だと『きっと、うまくいく』もオススメとのことです!
⑨ 陽のあたる教室 (Mr. Holland’s Opus) 1995年
こちらはヴォーカル担任の北澤先生のオススメ映画。
“破天荒でない『スクール・オブ・ロック』”と紹介していただき、とても言いえていると思いました!
元バンドマンで作曲活動を行う主人公が音楽教師になり、音楽の素晴らしさを伝える、父子とのエピソードもあり、
エモーショナルなので『ニュー・シネマ・パラダイス』のようなテイストが好きな方には特にオススメで、
もしかしたら学生時代に観るのと、大人になって観るのと、グッとくるポイントもきっと変わってくると思います!
⑩ 嫌われ松子の一生 2006年
最後に私が学生時代に色々あった時に映画館で観て泣いて、
観終わってから何故かこれから頑張ろう!と思った映画です。
後に『告白』『渇き。』などで知られる中島哲也監督が『下妻物語』のヒット後に手掛けた映画で、
個人的にはミュージカル映画だと思っているので、今回紹介させていただきました!
中島監督の他の映画もそうですが、色彩や音楽などの演出が独特で唯一無二の世界観のなかで、
1947年出身の松子の一生を甥の笙の視点で振り返ります。
友人から「これのどこで感動したの?」と言われたこともあるので、賛否あるかもしれませんが、
完全にフィクションですが
松子の一生の中に努力や恋愛、仕事、成功、失敗、再生などから推し活まで詰まっていて、精一杯生きる人生を追体験することが出来、たくさん生きるパワーをもらいました。
音楽も泣けるので興味を持った方はチェックしてみてくださいね!
番外編➀ ストレンジャー・シングス 未知の世界 (Stranger Things)
音楽ものでもなく映画でもないので、番外とさせていただきましたが、いま音楽好きなら絶対外せない作品だと思います!
Netflixで独占配信されているアメリカのSFホラードラマで、
現在シーズン4が進行中です。
サウンドトラックとして、作品の舞台である80年代のヒット曲が多く使用されており、
特にKate Bushの「Running Up That Hill」やMetallicaの「Master of Puppets」など本作で使用されたことをキッカケに世界的にリバイバルヒットするなど、
音楽のトレンドを掴むうえでも今や外せない作品となっています!
もちろん音楽だけでなく一度見だしたら止まらないハラハラするストーリーも魅力なので、
そんな本作をリアルタイムで観られるチャンスを逃す手はないと思います!
番外編➁ ディファイアント・ワンズ: ドレー&ジミー (The Defiant Ones) 2017年
こちらもNetflixのシリーズなので番外編にさせていただきましたが、
現代のヒップホップアーティストやクリエイターは必見のドキュメンタリーです。
自身も重鎮のヒップホップアーティストでEminemを発掘したプロデューサーとしても知られるDr. Dreと
かつてはJohn LennonやBruce Springsteenのレコーディング・エンジニアとして知られ、現在はインタースコープ・レコードの代表でもある世界的音楽プロデューサーのJimmy Iovineの二人が、
関わったアーティストのインタビューも交えながら、音楽業界でのエピソードを語ります。
ヒップホップに詳しくなくても、
アメリカの音楽の流れや、音楽ビジネスに興味がある方も感化されるところがあると思います!
Dr. Dre好きであればN.W.A.のドキュメンタリー映画『ストレイト・アウタ・コンプトン』もオススメですし、
9月から40周年記念上映も始まる
DJ/ラップ/ブレイクダンス/グラフィティ・アートなどヒップホップカルチャーの登場・発展を捉えた『ワイルド・スタイル』も とても勉強になります!
番外編➂ ビッグ・フィッシュ (Big Fish) 2003年
もしかしたらブロードウェイミュージカルとしての方が知られているかもしれない『ビッグ・フィッシュ』ですが、
もともとはミュージカルでなく、ティム・バートン監督によるファンタジー映画でした。
『シザーハンズ』、『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』(製作/原案)、『チャーリーとチョコレート工場』等で知られるティム・バートン監督らしく、
独特で鮮やかな世界観が魅力ですが、
現実シーンの対比、そして父子のストーリーに色々な感情が溢れ感動。
ミュージカルのサントラは研究科での課題曲としても使われることも多いので、併せてオススメです!
ということで3回目ということもあり、
定番から少し離れてきた部分もありますが、
2022年の夏休みらしさも意識して選んでみました!
素晴らしいエンタメ映画や、勉強になるドキュメンタリー映画ばかりです。
映画を観ることで人生の刺激になったり、非現実を味わうことで、元気になれる!
そんな素晴らしい映画や音楽と
これからもたくさん出会っていきましょう!
では!
鎌田
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